メンバーのT橋君が本を借してくれました。村上春樹訳の「レイモンド・カーヴァー」作の短編集です。なんでもおそらくダメダメ親父が読んだら共感でるものじゃないかって。
う~ん、凄く素敵というか感情移入できるというか。この作家さんは読んで見ると、誰にでもある日常の一こまを切り取って書かれている題材が多いんですよね。それが凄くいい。でもって登場人物もすごく普通。特に物凄い事件が起こるわけでもないです。(たまに事件もありますが)でもその誰にもである日常の一こまに、実は凄くいろんな気付きや葛藤やいろんな感情があったりして。つまり毎日忙しく過している中でなんとなぁく過ぎていっているけど、実は感情が揺さぶられる場面が実はあったりして、そこの表現が絶妙でした。わかるなぁみたいな感じで読めるんですよね。この人の生きた時代背景もあって少し暗い話がおおいですけど。
僕は小説は実はあんまり読まないんですよ。だいた小説って突拍子もない事件が起きるじゃないですか?どうもそういうのって感情移入できないんですよね。そんなわけねーだろとか思っちゃうし、それにそういった事件に巻き込まれた時の人の感情なんて体験しているわけではないから、理解できないし、その時の主人公の感情なんてはぁ?って感じになっちゃうから。
でもこの人の作品は日常の一こまの中での人の感情だったり、行動だったりが凄く上手に表現されていて面白かったです。でも若い人にわからないかな(笑 ちょうど僕くらいの年齢の人が読んだら凄くわかると思います。
その短編集の中で、「羽根」と「ささやかだけれど、役にたつこと」っていうのが凄くよかったです。特に「ささやかだけれど、役にたつこと」は絶望感とその中にある希望というか暖かさというか。
たまには小説もいいもんだな。
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